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角番センパイ
(一級建築士)
私は受験歴3年を経て合格をつかみ取った一級建築士です。
学科試験には通過したものの、製図試験に2度目落ちして角番に昇格!?
そこからメンタルを鍛え上げ、角番スピリッツで合格をつかみ取りました。
(今では、こっそりブログ活動中。)
私は”夢を諦めない受験生”たちを応援します!
角番に昇格してしまった方、角落ちからの復活を目指す方に向けて「役に立つ知恵や技術」を投稿していきます。

一級建築士製図ブログ-02:課題の特徴についてポイントを押さえる。

一級建築士の製図課題が発表されて、すでに「エンジン全開」の人も多いかと思います。

資格学校に通われている方は、作図トレースの特訓から始まり、8月中旬くらいからエスキスに取り掛かるでしょう。

これから本試験課題対策として、多くのバリエーションある課題と向き合うはずです。

しかし、角番生、角落ちからの復活の方は、すぐにでも課題対策の準備に入りたいですよね?

そこを踏まえ、製図ブログでは設計課題「図書館」の特徴と分析についてお伝えします。

受験生仲間と久しぶりの再会

去年の初心者

よし、今年こそは
心を入れ替えて、がんばるぞ!

去年のエリート生

おはようございます。
先生、今年もお世話になります。

去年の同じクラスの受講生と再会しました。

去年の初心者

ええ!!センパイもですか!?
絶対に合格してると思ってましたよ。

去年のエリート生

ふん、これが現実さ!
思い知っただろ、去年の初心者よ。

現実の厳しさを他人の身をもって、思い知ることになります。

去年の初心者

ウソだと言ってください。(泣)
センパイがダメなら僕はどうなるんですか?

鬼講師

うるさい!泣くヒマがあったら
席について製図板を準備しなさい。

既受験生は、このようなやり取りから資格学校の日常が始まることもありますよね?

去年の初心者だった自分が、優等生だと思っていた過年度生と再会することで、現実の厳しさを思い知ることとなります。

その状況を目のまえにして、合格できなかった現実の優等生に「未来の自分を想像した」のではないでしょうか?

はっきり言いますと、今年も”昨年と同じペース”では間違いなく、その未来は現実化します。

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一級建築士:製図ブログ-01.(課題発表)

製図ブログについて

当ブログは、昨年の試験において悔しい思いをされた「角番生、角番からの復活の方」のモチベーションアップのため、プラスになる情報を発信していきます。

目次

一級建築士製図ブログ:「図書館」の特徴と分析

ついに課題名「図書館」が発表されましたね。

まず始めにすることは、その課題について情報を集めて特徴を分析すること。

この記事をご覧の皆さまは既に、出題の背景や近年の傾向などをチェックされているかと思います。

【要求図書

  • 1階平面図・配置図(縮尺1/200)
  • 各階平面図(縮尺1/200)
    • ※各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定する。
  • 断面図(縮尺1/200)
  • 面積表
  • 計画の要点等

【建築物の計画に当たっての留意事項】

  • 敷地の周辺環境に配慮して計画する。
  • バリアフリー、省エネルギー、二酸化炭素排出量削減、セキュリティ等に配慮して計画する。
  • 各要求室を適切にゾーニングし、明快な動線計画とする。
  • 建築物全体が、構造耐力上、安全であるとともに、経済性に配慮して計画する。
  • 構造種別に応じて架構形式及びスパン割りを適切に計画するとともに、適切な断面寸法の部材を計画する。
  • 空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備、昇降機設備等を適切に計画する。
引用:建築技術教育普及センターHP

今年の課題「図書館」の特徴について

本試験課題「図書館」の特徴を一文でまとめます。

これが図書館の特徴!

「空間構成4要素」の基本のすべてが、1つの建物にガッチリと詰まっている。

空間構成4要素

  1. 配置計画
  2. ゾーニング・動線
  3. 要求室の計画
  4. 建物の立体構成

空間構成4要素とは?

【配置計画】外構とアプローチの関係
【ゾーニング・動線】分かりやすさと利用しやすさ
【要求室の計画】バランスの良い部屋の配置
建物の立体構成】合理的で整合性のある建物の形状

製図試験では当たりまえのルールですが、「空間構成4要素」のひとつでも欠けると採点の土俵にすら上がることができません。

図書館においては、この「空間構成4要素」が特に要求される課題条件となることは、例年通りといってよいでしょう。

ここからは、図書館の特徴を「空間構成のそれぞれの要素」に分けて、分析していきます。

今年の課題「図書館」の分析について

1.配置計画

外構とアプローチの関係

  1. 利用者が出入りするメインアプローチ
  2. 管理者が出入りするサービスアプローチ
  3. 利用者用サービス用の駐車スペース

配置計画とは、アプローチや駐車スペースといった屋外施設の計画のこと。

敷地図から「接道条件」や「周辺環境」を読み取り、そこに根差した計画をする力が問われます。

また、地下室の要求がある場合は「ドライエリア」の計画が必要となりますよね?

その場合、ドライエリアも配置計画に折り込む必要が出てくるため、対応の準備をしておきましょう。

2.ゾーニング

分かりやすいゾーニング

ゾーニングとは、平面において各部門のエリア分けをすること。

  • 共用部門
  • 図書部門
  • 第3部門
  • 管理部門(設備部門含む)

部門のエリア分けは、「配置計画によるアプローチ」とリンクした計画とする必要があります。

分かりやすいゾーニングとは、「共用部のホールを起点としたエリア分け」と覚えておきましょう。

3.要求室の計画

バランスの良い部屋の配置

要求室の計画は、各フロアにおいて「バランスの良い配置」が出来るかどうか?

「管理部門」を出来るだけタイトに詰め込み、利用者側のプランにゆとりを持たせるのが定石です。

図書室のレイアウト

  • サービスカウンター
  • レファレンスコーナー
  • ブラウジングコーナー
  • 新聞・雑誌コーナー
  • 児童開架スペース
  • 一般開架スペース

図書室では室内における各スペースのレイアウトも要求されます。

室内のレイアウトは「サービスカウンターを起点に配置する」と捉えておきましょう。

2.ゾーニング・動線

分かりやすさと利用しやすさ

ゾーニングと動線は、一体的にセットで考えるものです。

  • 利用者動線を明快に裁くこと。
  • 搬入口から図書室に至るサービス動線を管理部門内で通すこと。

「共用部を起点としたエリア分け」が出来てさえいれば、どちらも成立できますよね?

そして、「図書館」における最大のポイントは「図書部門管理部門は切り離せない」こと。

2つのゾーニングが破綻すると、サービス動線も成立しないということを心に刻んでおきましょう。

3.要求室のボリューム算定

「図書室の床面積は約○○㎡」と必ずしも指定してくるとは限りません。

課題によっては、受験生自らが「積み上げ計算」をして床面積を算定するケースも考えられます。

正確なボリューム算定が必要

  • 「書籍の収容量」を考慮した床面積の算定
  • 「閲覧席の席数」を考慮した床面積の算定
  • 「各スペースの床面積」に廊下係数1.4を掛けた床面積を算定する。

このあたりは課題実習の数を重ねながら、その都度覚えていきましょう。

正確なボリューム算定が出来なければ、プランが破綻する原因にもなりかねます。

床面積算定の目安

  • 開架式書架:170~180 [冊/㎡]
  • 閉架式書架:230~280 [冊/㎡]
  • 閲覧席:4~6人掛けの席1.6[㎡/人]
    • (スペースを節約するときは6人掛けにする)

4.建物の立体構成

「立体構成」は、エスキスの決め手となる最も重要な要素といってよいでしょう。

各ボリュームの組み方、重ね方によって「合理的なかたち」を形成できるか?という点です。

合理的な建物の形状

建物の立体構成

  • 吹抜け
  • 無柱空間
  • 屋上テラス

考慮すべきこと

  • 天井高の算定
  • ボリュームの割りふり
  • スパン割りの整合性

立体構成を決めるポイントは、「各ボリュームを重ね合わせる」イメージを掴むこと。

ボリュームごとの床面積を重ねつつ、上下階のバランスも見ながら階ふりを割り当てましょう。

「図書館」に要求される空調設備

中央熱源方式の全館空調(単一ダクト)が要求される(想定)。

想定される内部空間

  • 吹抜け
  • 無柱空間
  • 平面の大きな部屋

大空間において、安定した気流を確保できる空調といえば「単一ダクト方式」。

実は「単一ダクト方式」を要求されることで、プランニングにも影響が生じてくるのです。

押さえるべきポイント

  • 熱源機
  • 空調機械室
  • ダクトスペース
  • 天井のふところ
  • ドライエリア

ここでは、「単一ダクト方式の採用によりプランニングにどう影響するのか?」ということを簡単にお伝えします。

熱源機

中央熱源方式「空冷ヒートポンプチラーユニット」を採用する。

プランには直接影響がありませんが、「屋上設備スペースは○○㎡」という指定をされた場合、高さ制限に直結します。

「屋上設備スペース○○㎡+塔屋の床面積=建築面積の1/8以上」となる場合は、塔屋の部分も斜線制限の高さに含まれるということを知っておきましょう。

空調機械室

管理部門(設備部門)の中で大きなスペースを必要とする部分です。

外部からの搬出入やメンテナンスをすることを考え、前面道路に面して配置する必要があります。

1階に計画する場合は、管理部門のプランニングに大きく影響するといってよいでしょう。

ダクトスペース

1階フロア、又は地下に空調機械室を設置する場合、その真上にDSが立ち上がります。

プランニングの終盤になって「DSを入れる所がない!?」というのは、あるあるですよね?

わずか6㎡のスペースに手間取らないようにするため、エスキスの段階で計画を見込みましょう。

天井のふところ

エントランスホール、図書室、多目的ホールなどにおいて、「天井高の指定」は十分に想定されます。

「天井高さを確保するため」の階高を計算するにあたり、梁下に入るダクトスペース(500mm)は必ず折り込みましょう。

ドライエリア

地下に空調機械室を設置する場合、管理用コアの近くに計画することが望ましいもの。

それに加えて、外部からの搬入出を考慮して「ドライエリア」の計画も必要になって来ますので、押さえておきましょう。

一級建築士製図ブログ:「図書館」の特徴と分析(まとめ)

これが図書館の特徴!

「空間構成4要素」の基本のすべてが、1つの建物にガッチリと詰まっている。

空間構成4要素とは?

【配置計画】外構とアプローチの関係
【ゾーニング・動線】分かりやすさと利用しやすさ
【要求室の計画】バランスの良い部屋の配置
【建物の立体構成】合理的で整合性のある建物の形状

単一ダクトで押さえるポイント

  • 熱源機
    • 屋上設備スペースの面積指定により、塔屋が斜線制限の高さに含まれる。
  • 空調機械室
    • 機器の搬入出を考慮し、前面道路に向けて配置して出入口を設ける。
  • ダクトスペース
    • 空調機械室の直上に立ち上がるため、エスキスの段階で位置を見込んでおく。
  • 天井のふところ
    • 天井高さを確保するための階高の算定は、梁下500mmのふところを見込む。
  • ドライエリア
    • 前面道路に向けて配置するため、配置計画に折り込む。

空間構成4要素は命です。

Next!

一級建築士|製図ブログ-03.課題発表後にやるべきこと

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