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角番センパイ
(一級建築士)
私は受験歴3年を経て合格をつかみ取った一級建築士です。
学科試験には通過したものの、製図試験に2度目落ちして角番に昇格!?
そこからメンタルを鍛え上げ、角番スピリッツで合格をつかみ取りました。
(今では、こっそりブログ活動中。)
私は”夢を諦めない受験生”たちを応援します!
角番に昇格してしまった方、角落ちからの復活を目指す方に向けて「役に立つ知恵や技術」を投稿していきます。

一級建築士|構造力学の「たわみ」の公式の覚え方、もうあの式で迷わない!

一級建築士|構造力学の公式の覚え方

一級建築士受験生の方、構造力学で行き詰ってはいませんか?

計算問題を解くうえで、必要不可欠となるものは「公式を覚える」こと。

その中でも”梁のたわみ”の公式は、似たような数値が多くていつも迷いますよね?

迷いがちな公式

  • 梁のたわみとたわみ角
  • 断面一次モーメントと断面二次モーメント

それぞれの公式は、なるべくコンパクトにまとめて覚えておきたいもの。

この記事では「公式を覚える」ことに焦点を当てて、情報をまとめています。

覚えるだけでなく、思い出すためのヒントもお伝えするので、心配は要りません。

この機会に一度覚えてしまえば、「あの公式を覚える」ことから解放されるでしょう。

たわみの公式の海で溺れそうになった方は、ブックマークの追加をお願いします!

梁のたわみ

公式を覚えるヒント

断面※※モーメント

こんな人におすすめ!

  • 梁のたわみの公式が覚えられない。
  • 公式を覚える語呂が多すぎて持て余している。
  • それぞれの公式を単純な法則で、意味づけして覚えたい。

独学の方にオススメ!

目次

一級建築士|構造力学の「たわみ」の公式の覚え方

迷いがちな公式

  • 梁のたわみとたわみ角
  • 断面一次モーメントと断面二次モーメント

「とりあえず公式を覚えなければ・・」と思っていませんか?

公式というのは、過去問を繰り返し解きながら自然に覚えていくものです。

しかし、似たような公式が至るところで登場して来ると、つい意識してしまいがち。

「公式をどうやって覚えるの!」といった方でも心配は要りません。

その中身を少しだけ読み解くことで、覚えるためのヒントが得られるでしょう。

たわみとたわみ角の公式

片持ち梁(左)と単純梁(右)とでは公式が違います。

さらに、「たわみ」と「たわみ角」でも、使い分けが要りますよね?

しかし、公式を読み解くうえでの原理や捉え方は統一させるので、心配は要りません。

片持ち梁のたわみ

$$たわみ:\delta=\frac{ PL^3 }{ 3EI }, たわみ角:\theta=\frac{ PL^2 }{ 2EI }$$

たわみの原理

  • 外力Pが大きくなるほど、たわみは比例して大きくなる。
  • たわみはLの3乗に比例し、たわみ角はLの2乗に比例する。
  • たわみは部材の曲げ剛性EIが大きくなるほど、小さくなる。

公式の「分子⇧にあるものは比例する」「分母⇩にあるものは反比例する」要素となります。

たわみに「比例するもの、反比例するもの」を想像できると、公式のかたちが見えて来ますよね?

そして、たわみの公式で押さえるべきところは、分子「L」の”乗数の違い”です。

変位の

「どっちが2乗で、どっちが3乗だったかな?」

たわみとたわみ角の公式で、そんなことに引っかかったことはありませんか?

そのときは、梁のたわみのスケッチを描きだして、その変位のから記憶に結び付けましょう。

Lの乗数の見分け方

  • 梁の先端に生じる「たわみδ」は振れが大きいので、Lの3乗に比例する。
  • 梁の接合部に生じる「たわみ角θ」は振れが小さいので、Lの2乗に比例する。

外力の大きさに応じて「変位の大きい方が、比例の度合いも大きくなる」

たわみのスケッチを描き出してみると、その原理がイメージが出来ますよね?

「乗数の違い」については、このような視点で正しく見分けられるかと思います。

ここでひとつ、やっかいなテーマにぶつかります。

それは「集中荷重」と「等分布荷重」とでは、乗数の扱いが変わるということです。

乗数がひとつ増える

等分布荷重は集中荷重よりも「Lの乗数がひとつずつ増える」という感覚ではないでしょうか?

ここの”謎の仕様”についても、公式の原理を読み解き、その意味を紐解いていきましょう。

片持ち梁の集中荷重

$$たわみ:\delta=\frac{ PL^3 }{ 3EI }, たわみ角:\theta=\frac{ PL^2 }{ 2EI }$$

外力の種別によって異なるたわみ公式にも、共通するものがひとつだけあります。

ここがポイント!

それぞれの異なる梁のたわみ公式は、分子の「単位」に注目すること。

分子の単位は[m]3乗[m]2乗

共通の単位

  • たわみδの公式:分子の単位は、N*[m]3乗になる。
  • たわみ角θの公式:分子の単位は、N*[m]2乗になる。

異なる数値の覚え方は、ここの「単位」だけを押えておくと良いでしょう。

片持ち梁の等分布荷重

$$たわみ:\delta=\frac{ wL^4 }{ 8EI }, たわみ角:\theta=\frac{ wL^3 }{ 6EI }$$

分子の単位は[m]3乗[m]2乗

共通の単位

  • たわみδの公式:分子の単位は、N*[m]3乗になる。
  • たわみ角θの公式:分子の単位は、N*[m]2乗になる。

まず始めに、等分布荷重の単位は[N/m]であることに注目しましょう。

”w”の単位の分母に[N/m]がある以上、このmを打ち消して”共通の単位”にする必要があります。

$$たわみδの単位:\frac{ N }{ m}*\underline{m^4}=\frac{ N*m }{ m}*m^3=N.m^3$$

$$たわみ角θの単位:\frac{ N }{ m}*\underline{m^3}=\frac{ N*m }{ m}*m^2=N.m^2$$

共通の単位

  • たわみδの公式:分子の単位は、N*[m]3乗になる。
  • たわみ角θの公式:分子の単位は、N*[m]2乗になる。

それぞれを”共通の単位”にするには、[×m⁴]と[×m³]を掛けることになりますよね?

Lの単位は[m]であることから、単位計算より「Lの何乗を掛けるのか?」が見えて来るはずです。

「w」に注目!

ここで、等分布荷重のシンボル「」と公式の「係数」の関係に注目です。

」⇨「×2倍

(ダブル)=2倍」と語呂合わせで、覚えておきましょう。

  • たわみの係数:乗×w(2倍)=
  • たわみ角の係数:乗×w(2倍)=

等分布荷重の係数に至っては、「2倍」と紐づけて記憶に刻みます。

片持ち梁のモーメント荷重

最後にひとつ、モーメント荷重によるたわみの登場です。

モーメント荷重においても「集中荷重」とは少しだけ、乗数の扱いが変わります。

分子の単位は[m]3乗[m]2乗

$$たわみ:\delta=\frac{ ML^2 }{ 2EI }, たわみ角:\theta=\frac{ ML }{ EI }$$

共通の単位

  • たわみδの公式:分子の単位は、N*[m]3乗になる。
  • たわみ角θの公式:分子の単位は、N*[m]2乗になる。

まず始めに、モーメント荷重の単位は[N*m]であることに注目しましょう。

モーメント荷重の単位に[*m]があるので、このmを数えて”共通の単位”にする必要があります。

$$たわみδの単位:N*m*\underline{m^2}=N.m^3$$

$$たわみ角θの単位:N*m*\underline{m}=N.m^2$$

共通の単位

  • たわみδの公式:分子の単位は、N*[m]3乗になる。
  • たわみ角θの公式:分子の単位は、N*[m]2乗になる。

それぞれを”共通の単位”にするには、[×m²]と[×m]を掛けることになりますよね?

Lの単位は[m]であることから、単位計算より「Lの何乗を掛けるのか?」が見えて来るはずです。

片持ち梁の公式の覚え方

分子の単位は[m]3乗[m]2乗

」⇨「×2倍

共通の単位

  • たわみδの公式:分子の単位は、N*[m]3乗になる。
  • たわみ角θの公式:分子の単位は、N*[m]2乗になる。

ここがポイント!

それぞれの異なる梁のたわみ公式は、分子の「単位」に注目すること。

公式は単位とセットで覚えることで、その意味を深く理解することが出来ます。

単純梁のたわみ

ここからは、梁の構造が変わって「単純梁」の公式に移ります。

しかし、公式を読み解くうえでの考え方は同じなので、繰り返し解説していきましょう。

変位の

「どっちが2乗で、どっちが3乗だったかな?」

そのときは、梁のたわみのスケッチを描きだして、その変位のから記憶に結び付けましょう。

異なる乗数の見分け方

  • 梁の中央に生じる「たわみδ」は振れが大きいので、Lの3乗に比例する。
  • 梁の接合部に生じる「たわみ角θ」は振れが小さいので、Lの2乗に比例する。

「変位の大きい方が、比例の度合いも大きくなる」

片持ち梁であっても単純梁であっても、ここの捉え方は同じです。

「乗数の違い」は、イメージで正しく見分けられるように、覚えておきましょう。

単純梁の係数の覚え方

係数は、「48」「16」「384」「24」と色々な数字が登場して来ますが、コンパクトにまとめます。

桟橋Go

係数の語呂合わせ

  • 集中荷重のたわみの係数は、左 ⇦ 右へ「サンバシ
  • 等分布荷重のたわみの係数は、左 ⇨ 右へ「サンバシ」「Go!

「桟橋へGo!」覚えやすく知られている語呂ワードなので、2つセットで覚えておきましょう。

単純梁の公式の覚え方

ここがポイント!

それぞれの異なる梁のたわみ公式は、分子の「単位」に注目すること。

分子の単位は[m]3乗[m]2乗

$$たわみ:\delta=\frac{ PL^3 }{ 48EI }, たわみ角:\theta=\frac{ PL^2 }{ 16EI }$$

共通の単位

  • たわみδの公式:分子の単位は、N*[m]3乗になる。
  • たわみ角θの公式:分子の単位は、N*[m]2乗になる。

異なる数値の覚え方は、ここの「単位」だけを押えておくと良いでしょう。

$$たわみ:\delta=\frac{ 5wL^4 }{ 384EI }, たわみ角:\theta=\frac{ wL^3 }{ 24EI }$$

分子の単位は[m]3乗[m]2乗

まず始めに、等分布荷重の単位は[N/m]であることに注目しましょう。

”w”の単位の分母に[N/m]がある以上、このmを打ち消して”共通の単位”にする必要があります。

$$たわみδの単位:\frac{ N }{ m }*\underline{m^4}=\frac{ N*m }{ m }*m^3=N.m^3$$

$$たわみ角θの単位:\frac{ N }{ m }*\underline{m^3}=\frac{ N*m }{ m }*m^2=N.m^2$$

共通の単位

  • たわみδの公式:分子の単位は、N*[m]3乗になる。
  • たわみ角θの公式:分子の単位は、N*[m]2乗になる。

それぞれを”共通の単位”にするには、[×m⁴]と[×m³]を掛けることになりますよね?

Lの単位は[m]であることから、単位計算より「Lの何乗を掛けるのか?」が見えて来るはずです。

桟橋Go

係数の語呂合わせ

  • 集中荷重のたわみの係数は、左 ⇦ 右へ「サンバシ
  • 等分布荷重のたわみの係数は、左 ⇨ 右へ「サンバシ」「Go!

×8

たわみ角の係数は×8倍

  • 集中荷重のたわみ角の係数:2乗×8=16(係数)
  • 等分布荷重のたわみ角の係数:3乗×8=24(係数)

×8」に至っては、たわみ角θのシンボルが「」に似ていることに、紐付けても良いでしょう。

4つの係数に対して、覚える語呂ワードは「桟橋へGo!」と「×8」の2つだけです。

共通の単位

  • たわみδの公式:分子の単位は、N*[m]3乗になる。
  • たわみ角θの公式:分子の単位は、N*[m]2乗になる。

ここがポイント!

それぞれの異なる梁のたわみ公式は、分子の「単位」に注目すること。

公式は単位とセットで覚えることで、その意味を深く理解することが出来ます。

断面一次モーメントの公式

断面一次モーメントは、主に2級建築士の構造力学で出題されるもの。

しかし、1級建築士の問題でも稀に姿を現すことがあるため、簡単に押さえておきます。

ここを丁ねいに理解しておくことで、断面二次モーメントの公式を覚える”手助け”にもなるでしょう。

モーメントとは?

構造力学の視点で、モーメントを簡単に言い表すと「力×距離」のこと。

それは、モーメントの単位「N.m」が、公式の意味を表していると言えるでしょう。

断面積(力)×距離

断面一次モーメントのおいても、その捉え方は同じこと。

「力×距離」の「力」が、「力」→「断面積」に変わるだけです。

断面一次モーメント

断面一次モーメント=「断面積」×「距離」

断面積(力)×距離の2乗

断面二次モーメントのおいても、その考え方は同じこと。

「力×距離」の「力」「断面積」に、「距離」「距離の2乗」に置き換わるのです。

断面二次モーメント

断面二次モーメント=「断面積」×「距離」の2乗

力×距離の関係

ここでひとつ、「断面一次モーメント」のサンプル課題で、解説していきましょう。

断面積(力)×距離

$$断面一次モーメント=断面積×距離$$

断面積×距離

  • 断面積:部材の矩形部分の断面積
  • 距離:基準軸からその図芯までの距離

断面積(力)×距離

$$断面一次モーメント=A*yo+A*yo$$,$$=(20+20)*20*10+20*40*(20+20)$$

断面積×距離

  • A:部材の矩形部分の断面積
  • Yo:基準軸からその図芯までの距離

断面一次モーメント

断面一次モーメント=「断面積」×「距離」

公式は単位とセットで覚えることで、その意味を深く理解することが出来ます。

一次二次とは?

そもそも「断面一次、二次とは何のこと?」

疑問をここで解消して、後の説明に繋げていきます。

一次二次とは、関数の呼び名

断面二次モーメントの「二次」とは、「二次関数」のこと。

二次関数は「y=x²」の曲線図のことで、「yはxの2乗に比例する」ことを表しています。

その原理から、断面二次モーメントは「距離の2乗に比例する」という意味に繋がるのです。

断面一次モーメントの「一次」とは、「一次関数」のこと。

その関数は「y=x」の直線図となり、「yはxに正比例する」関係となります。

断面「一次、二次」についてはそれぞれ「距離に比例」「距離の2乗に比例」という理解で十分です。

断面二次モーメントの公式

断面一次モーメントの公式について、ここまで丁ねいに解説してきました。

断面二次モーメントについても”公式を覚える”という視点で、サクッと解説していきます。

先ほどの考え方を理解していただくことで、断面二次モーメントの公式の本質が見えてくるでしょう。

断面二次モーメント

断面二次モーメント=「断面積」×「距離」の2乗

断面積(力)×距離の2乗

断面二次モーメント=断面積×距離の2乗

断面積×距離の2乗

  • 断面積:部材の矩形部分の断面積
  • 距離:基準軸からその図芯までの距離

断面二次モーメントの本質

断面二次モーメント=断面積bh×距離yoの2乗

ここからは、「断面二次モーメント」のサンプル課題で、実践していきましょう。

$$断面二次モーメント=\frac{ bh^3 }{ 12 }$$

$$※公式はあくまでも、基準軸から図芯までの距離がゼロの場合です。$$

ここでひとつ、断面二次モーメントの本質を発揮しましょう。

矩形断面の図芯が基準軸のうえに乗っていないケースは、どうなるかご存知ですか?

モーメントは大きくなる

断面二次モーメント=断面積×距離の2乗

公式により、断面二次モーメントは「図芯からの距離の2乗に比例する」

つまり、図芯からの距離がゼロより大きくなるため、断面二次モーメントも大きくなります。

少なくとも「bh³/12」より大きくなるということは、想像できますよね?

断面積(力)×距離の2乗

$$断面二次モーメント=断面積*(距離)^2$$

$$図芯:+yo=\frac{ h}{ 2 }の断面二次モーメント=bh*(\frac{ h}{ 2 })^2$$

断面二次モーメント

$$断面二次モーメント=\frac{ bh^3 }{ 12 }+bh*(\frac{ h}{ 2 })^2$$

$$\frac{ bh^3 }{ 12 }+bh*(\frac{ h}{ 2 })^2=\frac{ bh^3 }{ 12 }+\frac{ bh^3 }{ 4 }$$

$$=\frac{ bh^3 }{ 12 }+\frac{ 3*bh^3 }{ 12 }=\frac{ (1+3)*bh^3 }{ 12 }=\frac{ 4*bh^3 }{ 4*3 }=\frac{ bh^3 }{ 3 }$$

断面二次モーメントの本質

断面二次モーメント=断面積bh×距離yoの2乗

公式は単位とセットで覚えることで、その意味を深く理解することが出来ます。

お疲れ様でした、まとめに入ります。

お疲れくん
お疲れ様でした。

一級建築士|構造力学の「たわみ」の公式の覚え方(まとめ)

梁のたわみ

  • 梁の先端に生じる「たわみ」は振れが大きいので、Lの3乗に比例する。
  • 梁の接合部に生じる「たわみ角」は振れが小さいので、Lの2乗に比例する。

共通の単位

  • たわみδの公式:分子の単位は、N*[m]3乗になる。
  • たわみ角θの公式:分子の単位は、N*[m]2乗になる。

ここがポイント!

それぞれの異なる梁のたわみ公式は、分子の「単位」に注目すること。

断面一次モーメント

断面一次モーメント=「断面積」×「距離」

断面二次モーメント

断面二次モーメント=「断面積」×「距離」の2乗

断面二次モーメントの本質

断面二次モーメント=断面積bh×距離yoの2乗

公式は単位とセットで覚えることで、その意味を深く理解することが出来ます。

計算問題を攻略するうえで、「公式を覚える」ことは必須です。

そのためのヒントや公式の捉え方について、ひとつずつ解説して来ました。

迷いがちな公式

  • 梁のたわみとたわみ角
  • 断面一次モーメントと断面二次モーメント

それぞれの「公式を覚える」ための情報をコンパクトにまとめましょう。

記事の”まとめ”文を何度も読み返し、思い出すためのきっかけを作っておくのです。

そうすることで、公式に対する記憶力がより強くなって、ミスを減らせるはず。

この記事をきっかけにして、「公式を覚える」ことから解放されましょう。

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